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平成23年度税制改正⑤~納税環境整備~

 3月31日、租税特別措置の「つなぎ法案」が参議院本会議で可決、成立しました。これにより、平成23年3月31日に期限の到来する租税特別措置等について、その期限が平成23年6月30日まで3か月延長されることになり、国民生活の混乱はひとまず回避されました。
 ただ、法人税率の引き下げや相続税の基礎控除縮小などを盛り込んだ税制改正法案は、ねじれ国会の下、いまだ成立のめどが立っていません。加えて、震災復興財源の確保をめぐり、今回の税制改正の目玉である法人税率の引き下げについても見直しが検討されています。
 このように先行き不透明な中、今後の国会審議によりその内容に変更が生じる可能性がありますが、引き続き、平成23年度税制改正大綱の内容をご紹介していきます。5回目となる今回は、納税環境整備(国税通則法)です。

納税者権利憲章の策定 
 納税者の立場に立って、「納税者権利憲章」が策定され、平成24年1月1日に公表されます。「憲章」は、①納税者が受けられるサービス、②納税者が求めることのできる内容、③納税者に求められる内容などを一連の税務手続に沿って、一覧性のある形で、平易な言葉で簡潔・明瞭に示すとの考え方に沿って策定される予定です。

 

税務調査手続
(1)税務調査の事前通知
 税務調査が行われる場合には、原則として文書で事前通知が行われるようになります。通知内容は次の通りです。
・調査の開始日時・場所
・調査の目的(例:○年分の所得税の申告内容の確認等)
・調査対象税目、課税期間
・調査の対象となる帳簿書類その他の物件
・その他必要事項

 

(2)税務調査終了時の手続
 調査終了時の手続については、納税者に対する説明責任を強化する観点から、次のとおり明確化・法制化が図られます。
①更正・決定等すべきと認められる場合
 納税者に対し、「調査結果(非違の内容、金額、理由)」及び「修正申告又は期限後申告を行った場合にはその部分について不服申立てができないこと」等を説明し、これらを簡潔に記載した文書を交付します。
②更正・決定等すべきと認められない場合
 納税者に対し、「その時点で更正・決定等すべきと認められない」旨を記載した通知書を交付します。

 

(注)上記の改正は、平成24年1月1日以後に新たに納税者に対して開始する税務調査について適用されます。

 

更正の請求
(1)更正の請求期間の延長
 納税者が申告税額の減額を求めることができる「更正の請求」について、更正の請求を行うことができる期間(現行1年)が5年に延長されます。併せて、課税庁が増額更正できる期間(現行3年のもの)が5年に延長されます。これにより基本的に、納税者による修正申告・更正の請求、課税庁による増額更正・減額更正の期間がすべて一致することになります。

 

(2)更正の請求の範囲の拡大
 当初申告時に選択した場合に限り適用が可能な「当初申告要件」がある措置について、下記①及び②のいずれにも該当しない措置については、当初申告要件が廃止されます。
①インセンティブ措置(設備投資に係る特別償却など)
②利用するかしないかで、有利にも不利にもなる操作可能な措置(引当金など)

 

 また、控除額が当初申告の際に記載された金額に限定される「控除額の制限」がある措置(青色申告特別控除など)について、更正の請求により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除額を増額させることができることとなります。

 

(注)上記の改正は、平成23年4月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用されます。

 

理由附記
 処分の適正化と納税者の予見可能性の確保の観点から、全ての処分について、原則として平成24年1月より理由附記が実施されます。但し、個人の白色申告者に対する更正等に係る理由附記については、記帳・帳簿等保存義務の拡大と併せて実施されます。

 

上記は大綱ベースの内容に基づくものであり、確定内容については今後の法令等を確認する必要があります。

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