消費税 Q&A

Q.当社は、事務所を賃借するに際し、敷金100万円(うち30万円は返還されない契約になっています)を支払いましたが、この場合の消費税の処理について教えてください。

A.敷金のうち返還される部分(70万円)は、預け金としての性格を有するので、消費税の課税対象とはなりません。敷金のうち返還されない部分(敷引き)は、権利の設定の対価(資産の貸付けの対価)に該当し、課税の対象となり(但し、住宅の貸付けに係るものは非課税)、その敷金を支払ったときに、一括して仕入税額控除を行います。したがって、税抜経理方式を採用している場合は、消費税14,286円(300,000円×5/105)を仮払消費税として処理します。
 仕訳例は以下の通りです。

 

 〔借方〕                  〔貸方〕
敷金(差入保証金)  700,000        現金預金  1,000,000
長期前払費用           285,714
仮払消費税                14,286


法人税法上、敷引きは建物を賃借するために支出する費用ですから、税法固有の繰延資産に該当し(勘定科目は「長期前払費用」等を用います)、原則として5年(契約による賃借期間が5年未満である場合において、契約の更新に際して再び権利金等の支払を要することが明らかであるときは、その賃借期間)で償却します。但し、その金額が20万円未満であるときは、少額の繰延資産として、その支出した事業年度において損金経理することにより、一時に損金算入することができます。この場合、20万円未満であるかどうかは、その法人の適用している消費税の経理方式により判定します。すなわち、税込経理方式を適用している場合は消費税を含めた金額で、税抜経理方式を適用している場合は消費税を除いた金額で判定します。

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